「奪われた統治権」

 「いと高き者が、人間の国を治めて、自分の意のままにこれを人に与え……る。」(ダニエル4:17)

 人間よりも下級な被造物の中にあって、アダムは王としての立場にあった。……しかし彼が神の戒めにそむいたときに、この統治権は失われた。アダム自身によってこの世界にもたらされた反抗心は、動物界にまでひろがった。このようにして、人の生命だけでなく、獣の性質、森の木々、野の草、人の呼吸する空気までも、悪の知識について、悲しい教訓を告げるようになった。(教育18)
 罪のために、人間だけでなく、地も悪者の支配下に陥った。……アダムは、創造されたときに、地の統治者としておかれた。ところが、誘惑に負けたためにサタンの支配下におかれた。「おおよそ、人は征服者の奴隷となるものである」(ペテロ第二2:19)。人間がサタンの捕虜になったとき、彼の統治権は、征服者の手に移った。こうして、サタンは「この世の神」(コリント第二4:4)となった。彼は、初めアダムに与えられた地の統治権を彼から奪った。(人類のあけぼの上巻59)
 サタンが、この世の王国と栄華は自分の手に渡されているのだから、自分は望むままにだれにでもこれを与えることができるのだと宣言したとき、彼の言ったことは一部分しか真実でなく、また彼は自分自身の欺瞞の目的に役立てるためにそれを宣言したのだった。サタンの主権はアダムから横取りしたものであったが、アダムは創造主の代理者だった。アダムの支配は独自の支配ではなかった。地は神のもので、神は万物をみ子におまかせになっていた。アダムはキリストの支配下にあって統治するのであった。アダムが統治権をサタンの手に売り渡したときにも、キリストは依然として正当な王であられた。……天で反逆した者によって、キリストを買収して悪の原則に服従させるために、この世の王国が提供された。しかしキリストは買収されなかった。……イエスは、神への服従と信仰とによって勝利を得られた。彼は使徒を通して、われわれにこう言っておられる。「そういうわけだから、神に従いなさい。そして、悪魔に立ちむかいなさい。そうすれば、彼はあなたがたから逃げ去るであろう。……」(ヤコブ4:7,8)。われわれは自分自身を誘惑者サタンの力から救うことはできない。サタンは人類を征服したのである。……だが「主の名は堅固なやぐらのようだ、正しい者はその中に走りこんで救を得る」(箴言18:10)。(各時代の希望上巻143-146)

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