2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

128「シーザー排斥運動」

ここにおいてシーザーは先帝の遺言通り姉弟共同して政を執るべきであると命じた。そしてクレオパトラを王位より追放するにあたり主として働いた総理大臣ポンチナスは、彼女の復位後の結果を恐れ、シーザーはゆくゆくはクレオパトラを単独皇帝となす腹案であ…

 「一人の魂の価値」

「あなたがたは知らないのか。……あなたがたは、もはや自分自身のものではないのである。あなたがたは、代価を払って買いとられたのだ。」(コリント第一6:19,20) すべての人類は、この無限の代価を払って買われたのである。神は、この世界に天の全資産を傾…

93 不思議な「暗黒日」

「暗黒日」―大地震についで起こるべき異変は「太陽は毛織の荒布のように黒くなり」という現象であるが、これもまた預言どおり成就した。すなわちこれは1780年5月19日の暗黒日のことであるが、これについては博識である読者は多くを知っていられるであろうか…

「大いなる代価」

「あなたがたのよく知っているとおり、あなたがたが……あがない出されたのは、銀や金のような朽ちる物によったのではなく、きずも、しみもない小羊のようなキリストの尊い血によったのである。」(ペテロ第一1:18,19) ペテロは「あなたがたのよく知っている…

127「クレオパトラの策略」

ついに双方共、シーザーの前に弁護士を送って、互いに曲直を争うことになった。しかし、クレオパトラはローマの名将軍シーザーの弱点に乗じ、彼女のために最も有利な判決を得るには、彼女の雇うことのできるいかなる弁護士よりも、美貌の持ち主である彼女が…

「世の罪」

「彼はわれわれのとがのために傷つけられ、われわれの不義のために砕かれたのだ。彼はみずから懲らしめをうけて、われわれに平安を与え、その打たれた傷によって、われわれはいやされたのだ。」(イザヤ53:5) ある人たちは、贖いについて限られた考えをして…

92「津波の襲来」

海上においても同様震動が感じられ、リスボン市の西方の海を航海中の船などはその甲板上においては陸地と同様の感じを受けた。「ナンシー」号の船長はセント・ルカスにおいて船が暗礁に乗り上げたのではないかと思われるほど激しく揺れたので急いで測錘をた…

「父に見捨てられる」

「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか。」(マタイ27:46) 〔イエス〕は口づけによって裏切られて、ご自分の敵の手に渡され、早朝に法廷の広場に裁判のためにせきたてられた。……天の軍勢は、天の大能者であり、栄光の冠をかぶってお…

126「トレミーとクレオパトラ」

「彼は全国の力をもって討ち入ろうと、その顔を向けるが、相手と仲直りをし、その娘を与えて、その国を取ろうとします。しかし、その事は成らず、また彼の利益にはならないでしょう。」ダニエル11:17 16節にはシリヤおよびユダヤがローマに征服された事を…

「天父の不興」

「今はあなたがたの時、また、やみの支配の時である。」(ルカ22:53) ゲッセマネの園における神の御子が祈りの姿勢でかがまれた時、主の霊の苦難がその毛穴から血の滴りのような大粒の汗を絞り出した。暗黒の恐怖がこのお方に臨んだのはここにおいてであっ…

「ゲッセマネでの苦悶」

「わが父よ、もしできることでしたらどうか、この杯をわたしから過ぎ去らせてください。しかし、わたしの思いのままにではなく、みこころのままになさって下さい。」(マタイ26:39) ゲッセマネの園で、キリストは人間の代わりに苦しまれた。また神のみ子の…

91「地震に伴う惨害」

地震だと思うや否や、教会も寺院もその他のものをもおよそめぼしい建物はほとんど皆倒壊し、人家も四分の一は破壊し去った。そして振動2時間後には各場所より火が起こり、猛火は三日間暴れまわって、そのために全市は全く荒廃に帰した。しかもちょうどその…

「夜を徹する祈り」

「このころ、イエスは祈るために山へ行き、夜を徹して神に祈られた。」(ルカ6:12) 天の大能者は、地上での公生涯で忙しくされていた間、ご自分の父に多く祈られた。このお方は、しばしば夜を徹して祈られた。……オリブ山が神の御子が祈りをするために好まれ…

125「ポンペイ、エルサレムを攻落する」

「これに攻めて来る者は、その心のままに事をなし、その前に立ち向かうことのできる者はなく、彼は麗しい地に立ち、その地は全く彼のために荒されます。」ダニエル11:16 北の王アンチオカスはエジプトにとっては強敵であったが、しかし今や攻め寄せようとす…

「苦悶の祈り」

「キリストは、その肉の生活の時には、激しい叫びと涙とをもって、ご自分を死から救う力のあるかたに、祈と願いとをささげ……られたのである。」(ヘブル5:7) 親愛なる青年よ、あなたが試みに会わせないで下さいと祈る時、祈ることであなたのすることが終わ…

90「リスボンの大地震」

「小羊が第六の封印を解いた時、わたしが見ていると、大地震が起って、太陽は毛織の荒布のように黒くなり、月は全面、血のようになり、天の星は、いちじくのまだ青い実が大風に揺られて振り落されるように、地に落ちた。天は巻物が巻かれるように消えていき…

「計り知れない苦しみ」

「主ご自身、試錬を受けて苦しまれたからこそ、試練の中にある者たちを助けることができるのである。」(ヘブル2:18) 我々は、キリストが「誘惑され、苦しまれた」という言葉の意味を理解することができるだろうか。彼には少しの罪もなかった。洗練された聖…

124「シドン城の陥落」

「こうして北の王がきて、塁を築き、堅固な町を取るが、南の王の力は、これに立ち向かうことができず、またそのえり抜きの民も、これに立ち向かう力がありません。」ダニエル11:15 エジプトの幼君の教育はローマ政府の命によりエミリアス・レピダスが監督す…

「匹敵するもののない試練」

「この大祭司は、わたしたちの弱さを思いやることのできないようなかたではない。罪は犯されなかったが、すべてのことについて、わたしたちと同じように試錬に会われたのである。」(ヘブル4:15) バプテスマの後、神の御子は悪魔に誘惑されるために、もの寂…

89「教会の暴状暴露と殉教者の勝利」

4.「白い衣」―これは「主よ。いつまであなたは、さばくことをなさらず、・・・わたしたちの血の報復をなさらないのですか」との叫びに対する応答の一部として与えられたものであった。それはどのようにしてかというと、彼ら殉教者ははなはだしい屈辱を身に…

「言いようのない孤独」

「わたしはひとりで酒ぶねを踏んだ。もろもろの民のなかに、わたしと事を共にする者はなかった。」(イザヤ63:3) だがイエスは、子供のときも、青年時代も、大人になられてからもひとりで歩まれた。彼は純潔と忠誠のうちにただひとりでさかぶねを踏まれ、も…

123「ローマの建国」

「そのころ多くの者が起って、南の王に敵します。またあなたの民のうちのあらくれ者が、みずから高ぶって事をなし、幻を成就しようとするが失敗するでしょう。」ダニエル11:14 エジプトの幼君トレミー・エピファネスに反逆したのはアンチオカスばかりではな…

「比類のない誘惑」

「この世の君が来るからである。だが、彼はわたしに対して、なんの力もない。」(ヨハネ14:30) キリストがこの世に来られた時から、サタンの全同盟軍の手下たちが、アダムが欺かれて倒されたように、このお方を欺き倒すためにつかわされた。…… キリストがベ…

「比類なきへりくだり」

「このように、子たちは血と肉とに共にあずかっているので、イエスもまた同様に、それらをそなえておられる。それは、死の力を持つ者、すなわち悪魔を、ご自分の死によって滅ぼし」(ヘブル2:14) サタンは人を堕落させ、その時以来、人の中にある神の形を消…

88「霊魂に知覚なし」

3.「祭壇の下の魂」−この箇所を引用して、死後霊魂は肉体を離れ知覚を持ちつつ存在するという説が有力な証拠とみなす人が多い。彼らは実際にヨハネは肉体を離れて存在する霊魂を見たではないか、そしてそれは知覚を持ち、次々に起こる事件を知っていた。そ…

6月「恵みの価」 −天のみ座からの亡命ー

「キリストは、神のかたちであられたが、……人間の姿になられた。……おのれを低くして、死に至るまで、しかも十字架の死に至るまで従順であられた。」(ピリピ2:6-8) 救いの価値を十分に悟るためには、そのために払われた犠牲を理解する必要がある。キリスト…