「パウロは『言伝え』と『哲学』に対して警告する」

 「あなたがたは、むなしいだましごとの哲学で、人のとりこにされないように、気をつけなさい。それはキリストに従わず、世のもろもろの霊力に従う人間の言伝えに基くものにすぎない。」(コロサイ2:8)


 異教の習慣に取り巻かれ、その影響下にあってコロサイの信者たちは、福音の単純さから引き離される危険にさらされていた。そしてパウロはこれについて警告を与え、彼らにキリストこそ唯一の安全な導き手であると言った。……
 このように、あなたがたは主キリスト・イエスを受けいれたのだから、彼にあって歩きなさい。また、彼に根ざし、彼にあって建てられ、そして教えられたように、信仰が確立されて、あふれるばかり感謝しなさい。……
 キリストは人を惑わす者たちが現れることを預言しておられた。彼らの感化を受けて「不法がはびこ」り、「多くの人の愛が冷える」のである(マタイ24:12)。主は教会が敵の迫害からよりも、もっと、この悪からの危険にさらされるであろうと弟子たちに警告しておられた。パウロは繰り返し、こうした誤った教師たちに注意するよう信者たちに警告した。何よりもまず、この危険から彼らは身を守らなければならない。誤った教師たちを受け入れることにより、彼らは誤った道を進み、その過ちにより敵は霊的な知覚を鈍らせ、福音の信仰を新しく受け入れたばかりの人々の確信をぐらつかせるのである。キリストが標準であられ、彼らはそれによって、紹介される教理をテストしなければならなかった。キリストの教えと一致しないものは、すべて拒まなければならなかった。キリストは罪のために十字架におかかりになり、死からよみがえられて、昇天された。これこそ彼らが学び、そして教えなければならない救いの科学であった。
 キリスト教会を取り巻くさまざまな危険について神が警告されたことばは、今日われわれも聞かなければならない。弟子たちの時代に、人々は伝統や哲学によって聖書を信じる信仰を破壊させようとしたが、今日は、高等批評、進化論、心霊術、神知学、汎神論など心を楽します意見によって、義の敵は魂を禁じられた道へ導こうとしている。多くの人たちにとって、聖書は油のないランプのようなものである。なぜなら、彼らの心は誤解と混乱しか招かないような、推論的信念に向けられているからである。分析し、推測し、組み立て直す「高等批評」の作業が、神の啓示としての聖書についての信仰を破壊している。高等批評は、神のみことばから、人の生活を支配し、高め、霊感を与える力を奪っている。心霊術によって多くの人々は、欲望が最高の律法であり、放縦が自由であり、人は自分にだけ責任があるのだと信じるよう教え込まれている。……
 もっと高く、もっと純潔で、もっと崇高な生活の力が、われわれに大いに必要である。
(患難から栄光へ下巻166〜171)


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