46「ダリヨス王新しい禁令を出す」

 

  「こうして総監と総督らは、王のもとに集まってきて、王に言った、「ダリヨス王よ、どうかとこしえに生きながらえられますように。国の総監、長官および総督、参議および知事らは、相はかって、王が一つのおきてを立て、一つの禁令を定められるよう求めることになりました。王よ、それはこうです。すなわち今から三十日の間は、ただあなたにのみ願い事をさせ、もしあなたをおいて、神または人にこれをなす者があれば、すべてその者を、ししの穴に投げ入れるというのです。それで王よ、その禁令を定め、その文書に署名して、メデアとペルシャの変ることのない法律のごとく、これを変えることのできないようにしてください。」そこでダリヨス王は、その禁令の文書に署名した。」ダニエル6:6〜9

 これらの人々が凶悪な目的を果たす為に取った方法を見よ。英語欽定訳傍注によれば、彼等は騒々しく王の許に集まってきたとある。すなわち彼等は何か大事件でも起きたので皆集まって、王に奏上しようとして来た者のように装い、彼等はこの事においては全ての者が同意しているのであると主張した。しかしそれは偽りであった。なぜならば、彼等の監督であるダニエルには無論相談さえしなかったに相違ないからである。彼らの定めた禁令は王の虚栄心をそそるものであったので、比較的容易に王の裁可を得ることのできるものであった。三十日の間人間が神への願い事を禁じるということはいまだかつて聞いたことのない法令である。であるから王は彼等の謀略を看破することは出来ずについにその法令に署名調印した。そうしてそれはいかなる事があっても変更することの出来ないメデヤ・ペルシャの国法の一つとなった。
 これらの人々がいかに狡猾であるかを見よ。善人を滅ぼすためにどこまで策略をめぐらすのであろう。もしこの法令に「ユダヤ人の神に祈願する事を禁じる」と書いたなら、実際にはそれが真の目的であったとしても直ちに王に看破されて裁可されなかったであろう。であるから彼等はそれを一般の神々を憎むダニエルを滅ぼすためにその全宗教と神をあえて侮辱した。
 ダニエルはそれが自分に対する陰謀である事を感知したが、それを妨げようとしなかった。ただ彼は自らを神に委ね、摂理の導きに一任していた。すなわち彼は用事を作って他に出張する事もしなかった。あるいは自分の毎日の礼拝を秘密にすることもしなかった。そしてダニエルはその禁令が発布されてからも、今までどおり一日三回部屋でひざまづいて愛するエルサレムに向かって神に祈祷を捧げた。

 ブログ村ランキングに参加しています。
もしよろしかったら、クリックお願いいたします。

 ↓↓↓  

にほんブログ村 哲学・思想ブログ プロテスタントへ
にほんブログ村