47「ダニエルししの穴に投げ入れられる」

 「そこでその人々は集まってきて、ダニエルがその神の前に祈り、かつ求めていることを見たので、彼らは王の前にきて、王の禁令について奏上して言った、『王よ、あなたは禁令に署名して、今から三十日の間は、ただあなたにのみ願い事をさせ、もしあなたをおいて、神または人に、これをなす者があれば、すべてその者を、ししの穴に投げ入れると、定められたではありませんか。』王は答えて言った、『その事は確かであって、メデアとペルシャの法律のごとく、変えることのできないものだ。』彼らは王の前に答えて言った、『王よ、ユダから引いてきた捕囚のひとりである、かのダニエルは、あなたをも、あなたの署名された禁令をも顧みず、一日に三度ずつ、祈をささげています。』王はこの言葉を聞いて大いに憂え、ダニエルを救おうと心を用い、日の入るまで、彼を救い出すことに努めた。時にその人々は、また王のもとに集まってきて、王に言った、『王よ、メデアとペルシャの法律によれば、王の立てた禁令、または、おきては変えることのできないものであることを、ご承知ください。』そこで王は命令を下したので、ダニエルは引き出されて、ししの穴に投げ入れられた。王はダニエルに言った、『どうか、あなたの常に仕える神が、あなたを救われるように。』そして一つの石を持ってきて、穴の口をふさいだので、王は自分の印と、大臣らの印をもって、これに封印した。これはダニエルの処置を変えることのないようにするためであった。」6:11〜17

 罠をかけたこれらの人々はダニエルが犠牲になってそれにかかる事を待っていた。それで彼らは再び一同で騒々しく今度はダニエルの邸宅に何か監督と相談しなければならない重大事件でも起きたかのように装ってやってきた。ちょうどその時ダニエルは、彼等のもくろみまた希望した通り神に祈っていた。ここまでは彼等の策略は見事に成功した。そこで彼らは直ちに王の許に行き、彼の禁令が実施されているか否かを確かめ、その後ダニエルを訴えた。そして「ユダの捕虜であるダニエルは」と言って王に偏った見かたをさせようとした。悪辣な手段に注意せよ。すなわち王から特別な恩典をうけているあの卑しい捕虜は、王に対して全く感謝していないだけでなく、王の禁令を無視して一向顧みないと訴えた。ここにおいて王は自分とダニエルがうまくわなにかかった事を悟り、ダニエルを救おうとして議論したことであろう。しかし彼等は頑としてこれを受け入れず、あくまで禁令の適用される事を求め、ついに尊敬すべき真面目で過失のない正しい神の僕ダニエルを、あたかも極悪非道の罪人のようにししの餌食とするためにししの穴に投げ入れたのである。

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