130「英雄ジュリアス・シーザーの最後」


 「こうして彼は、その顔を自分の国の要害に向けるが、彼はつまずき倒れて消えうせるでしょう。」ダニエル11:19
 シーザーは前節の勝利の後ポンペイの残党カトーおよびスキピオをアフリカで、ラビエナスおよびヴァルスをスペインで敗った。しかし彼は「自分の国の要害」すなわちローマに帰り、終身の執政官にあげられ、全ローマの皇帝としての名誉と権威とが与えられたのである。しかし預言者は彼が「つまずき倒れて消えうせる」と言っている。この言葉の中には彼の滅亡はあたかも人が歩行中不意につまずくように予期しない時に突如として起こることを現している。すなわち500回の戦争に連戦連勝し、1000の都市を攻落し、119万2000人をほふった名誉将軍シーザーの死は、戦争中に起こったのではなく、彼が天下泰平であると自任しつつローマ元老院の会議に出席したとき突如として起こったのである。
 この日の元老会議はポンペイの劇場において開かれる定めであったが、その前夜シーザーの妻は凶夢に悩まされたので切に翌日の元老会議に出席するのを思い留まるように求めた。そして翌日の朝シーザーは陰謀をたくらむ腹心の徒に出席を促され、彼らが懐剣を逆手に握っている事もつゆしらずにその屋敷を出た。やがてシーザーは議場に入り、威風堂々四隅を圧倒しつつポンペイの立像下を過ぎ、まさに金色燦爛たる王座に座ろうとした。とその時、陰謀者等は彼の周囲に集まり、その一人であるチリウス・キンベルが進み出て追放中の同胞の赦免を請うように見せかけた。そしてチリウス・キンベルがシーザーの外套に手をかけてこれを肩よりひきおろすのを合図に、陰謀者等は手に手に武器をふるってシーザーを刺した。シーザーは刺されながらも座を立ち上がり、満面怒気をを含んで、「悪人ども何をするのか」と大声疾呼した。そして空拳を振るって防御しようとしたが、すでに全身23か所刺され血に染み、またその愛育するブルータスもまた刺そうとするのを見て、「ブルータスおまえもか」との一言を残して永久に倒れた。これは紀元前44年3月15日の事であり、ジュリアス・シーザーは躓き倒れるように突然の強靭に倒れてしまったのであった。

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