120「霊界における二大勢力の出現」

 すでに聖書上において西ローマ帝国が十カ国に分裂する事が預言され、そしてこれは事実となって現れたが、しかし人々はその聖言に留意しようともしなかった。彼らは同じ預言者が宣べた「いと高き者が人間の国を治めて、自分の意のままに、これを人に与えられることを知るに至るでしょう」と命じ、その他律法および聖書のいたるところにおいて偶像礼拝を固く禁じられたにもかかわらず、ローマ分裂後の各国はキリスト教徒の名を擁しながら内容形式共に偶像化し、過去における多神教の守護神または本尊を天使または聖徒の像に変える等のことをなし、形式は変わってもやはり偶像礼拝に陥っていた。この四部五裂した国々がかろうじて秩序を維持し得るに到った頃、一個の人間がキリストの代理者、人間の信仰および、良心の領域を統べる、神の地上における目に目える代表者として崇められるに到った。しかも一方に背教がその極みに達せんとする機に際し、東南の方よりまた新たに、全世界の霊的支配者であることを公言する一権威者が現れた。
 ほかならぬこれはフイフイ教(イスラム教)である。マホメットは東より「イエス預言者の嗣子ではない、我こそその者である」と呼ばわった。これに対し西方よりローマの監督は「王座は我がものである、我は主イエスの地上における目に見える代表者である」と答え、互いに地上における霊界の覇を競って、爾後数世紀にわたり、両者共におのが主張を指示しない者に対しては容赦なくこれを剣にかけて殺したのであった。しかしイエスを廃し、我こそその者である事を自称するマホメットの斯かる戦闘行為に対してはあえてこれを怪しむに足りないが、イエスの代表者であると公言する徒がこれと同一行為をあえてするとは正にこれ沙汰の限りである。この後より台頭しきたれる権威、−マホメット教がいかに堕落教会のむちとなり、いかにこれを悩ましたかが第9章の研究題目である。

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