「荒野の誘惑」
「さて、イエスは御霊によって荒野に導かれた。悪魔に試みられるためである｡」（マタイ4:1）
なぜ公の伝道の始めに、キリストは試みられるために荒野に導かれたのだろうか。…主が行かれたのは、ご自身のためではなく、私達のため、勝利を私達のものにするためであった。…主は人類の代表として、試みられ､試されるべきであった｡主は個人的に敵と戦い、この世の王国のかしらであると主張している敵を打ち負かさなければならなかった。（letter159.1903）
サタンは人間が誘惑されるはずのその事柄で主に接触し、誘惑した。私達の身代わりであり、保証人であられる主はアダムがつまずき､倒れた立場にさしかかられた。そして、問題は、アダムが神の戒めについてそうしたように主はつまずかれ、倒れるだろうかということであった。主はサタンの攻撃に、繰り返し「と書かれている」というみ言葉で向かわれた。そして、サタンは、勝利した敵を戦場に残して去った。キリストはアダムの不名誉な堕落を贖い、完全な従順の特徴を満たして人類家族の為の模範を残された。･‥もし主が神の律法に関して一点といえども失敗されたならば、主は完全な犠牲とはなり得なかったであろう。なぜならば、アダムが失敗したのはただその一点だけであったからである。…
私達の救い主は誘惑の試みのどの点においても負けなかった。そして、この方法で、彼は人のために勝利を可能にして下さった。さて、このことを思い、考えるならば、私達の日々の生活は、充分な感謝で心が満たされる。イエスが、私達の身代わり、保証人として受け入れられたので、私達の一人一人は、あたかも私達が自分白身のために試みと試練に耐えたかのように受け入れられるのである。主は人間が攻撃されるはずの試練に精通するために私達の性質をおとりになった。それで、主は、み父の前に私達の仲介者であり、とりなしとなられたのである。（RH1890年6月10日）
勝利を得たいと思う者は、自分の持っている全ての力を用いるべきである。彼らは神の前にひざまずいて、天の力を求めて悩まなければならない。･･･人間は悪に抵抗する力、すなわち地上や死、また、地獄が支配することのできないところ、キリストが勝利されたように彼らが勝利できるところに自分を置く力を持つことができる。神性と人性が彼らの中で結合されるのである。（5BC1082）
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