ダニエル書にある天来のメッセージ1〜7

SABBATH SCHOOL
LESSONS

for the First Half 2011

Heavenly Messages
in the Book of Daniel




Issued by
General Conference
International Missionary Society
Seventh-day Adventist Church
Reform Movement

625 West Avenue
Cedartown, GA 30125
USA

Telephone (+1) 770-748-0077 / Fax (+1) 770-748-0095
Email imssdarmgc@yahoo.com
www.ims1914.org

まえがき 

 真っ暗闇の中を歩いたことがある人、また濃い霧の中で運転したことがある人は、光がどれほど祝福であるかを知っています。従って、暗闇の重大な危険からわたしたちを救うために、実際的な光と霊的な光の両方を創造された主に、わたしたちはどれほど感謝すべきでしょうか。聖書は預言の言葉について次のように言っています。「こうして、預言の言葉は、わたしたちにいっそう確実なものになった。あなたがたも、夜が明け、明星がのぼって、あなたがたの心の中を照すまで、この預言の言葉を暗やみに輝くともしびとして、それに目をとめているがよい」(ペテロ第二1:19)。
 紀元前6世紀に書かれた預言者ダニエルの書は、終末時代、すなわちわたしたちの時代のための天来のメッセージを含んでいます。「…ダニエルよ、あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい。多くの者は、あちこちと探り調べ、そして知識が増すでしょう」(ダニエル書12:4)。預言の霊はこれを確実にしています。「……1798年以来、ダニエル書は封を開かれ、預言の知識は増加し、審判の切迫という厳粛なメッセージを多くの者が宣言したのである。」―各時代の大争闘下巻p51
 この助言は現在、かつてないほど適切です。「ダニエル書を読みなさい。そこに描かれている王国の歴史を一つ一つ思い出しなさい。政治家、議会、強い軍隊に注目し、人間の誇りを卑しめ、人間の栄光をちりにふさせるために、神がどのように働かれたかを見なさい。ただ、神だけが偉大なお方として表されている。預言の幻の中に、一人の強い支配者を投げ倒し、別の者をお立てになる神を見ることができる。神は、その永遠の王国を確立しようとしておられる宇宙の君主、日の老いたる者、生ける神、すべての知恵の源、現在の支配者、未来の啓示者、として表されている。自らの魂を虚飾へと高める人間がいかに貧しく、もろく、短命で誤り易く、有罪であるかを読み、理解しなさい。」―SDAバイブル・コメンタリー4巻p1166・SB旧約p1149
 預言のメッセージが、わたしたちに特別に与えられているのですから、記録されていることに慎重に注意を払いましょう。「ダニエルが神から直接受けた光は、特に最終時代のために与えられた。シナルを流れる大きなウライ川とヒデケル川のほとりで彼が見た幻は、現在成就の過程にあり、予告されたすべての出来事は、まもなく起こるであろう。」―(手紙57, 1896)SDAバイブル・コメンタリー4巻p1166 同上
 封印が解かれて以来この重要な書物から、重要な知識がへりくだって探求するすべての者に与えられています。そして最後の出来事が近づくにつれて、さらなる光が霊感を受けた書物から輝くという約束がわたしたちに与えられています。さらに「ダニエルと黙示録の書がさらに良く理解されるなら、信者たちは全く異なった宗教経験を得るであろう。天の開かれた門から素晴らしい光景を垣間見ることによって、彼らの心と思いは、心の清い者の報いとなる祝福を得るために、すべての者が発達させなければならない品性によって感銘を受けるのである。」―牧師と福音宣伝者への証p114
 最も素晴らしい出来事がわたしたちに迫っている時、わたしたちはどれほど厳粛な時代に住んでいるかがもっとはっきりしてきます。わたしたちは今、この天からのメッセージを研究するために動機付けられ、預言の光によって歴史を「悟り」、わたしたちの主の間もない来臨のために、「自分を清め、自分を白くし、かつ練られる」「多くの者」の一人となることができますように(ダニエル書12:10)。ー世界総会の兄弟姉妹より



ダニエル書にある天来のメッセージ
Heavenly Messages in the Book of Daniel


目次
まえがき ………………………………………………………… 2

第1課   預言の言葉は光である…………………………… 5
第2課   失われた機会とその結果…………………………10
第3課   ユダの捕虜…………………………………………15
第4課   バビロンの宮廷で…………………………………19
第5課   パノラマのような夢………………………………23
第6課   神はご自分を尊ぶ者を尊ばれる…………………27
第7課   預言の夢……………………………………………31
第8課   預言の夢(続)………………………………………36
第9課   メド・ペルシャ帝国におけるユダヤ人…………40
第10課  次の帝国……………………………………………45
第11課  ローマ帝国の滅亡…………………………………50
第12課  永遠に続く王国……………………………………55
第13課  火のような試練……………………………………60

スーダンからの伝道報告………………………………………65


第1課                    安息日2011年1月1日


預言の言葉は光である


 「こうして、預言の言葉は、わたしたちにいっそう確実なものになった。あなたがたも、夜が明け、明星がのぼって、あなたがたの心の中を照すまで、この預言の言葉を暗やみに輝くともしびとして、それに目をとめているがよい。」―ペテロ第二1:19


1.ご自分の子らを不確かさの中に放って置くことがないように、主はどうされましたか。このお方は過去に、誰を通して語られましたか(創世記18:17; アモス3:7; サムエル記下 9:9)。

 「『まことに主なる神はそのしもべである預言者にその隠れた事を示さないでは、何事をもなされない』『隠れた事はわれわれの神、主に属する』が、『表わされたことは長くわれわれとわれわれの子孫に属』するのである(アモス書3:7、申命記29:29)。神はこれらのことをわれわれにお与えになっており、神の祝福は、預言の書を祈りのうちに、敬虔な思いで研究する者に伴うのである。」―各時代の希望上巻p288,289
 「『隠れた事はわれわれの神、主に属するものである。しかし表わされたことは長くわれわれとわれわれの子孫に属し、』とモーセは言っている。また、主は、預言者アモスによって、主は、『そのしもべである預言者にその隠れた事を示さないでは、何事をもなされない』と言われた(申命記29:29、アモス書3:7)。したがって、神のみ言葉の研究者は、人類歴史における最も重大な事件が、真理のみ言葉のなかに明示されていることを、確信をもって期待することができるのである。」―各時代の大争闘下巻p9,10


神の民のための指針



2.神がわたしたちに語られる時、わたしたちにとって直ちに何をすることが重要ですか(詩篇46:10;サムエル記下3:10)。


 「柔和な者の言葉は、決して誇ることがない。子供のサムエルのように、彼らは、『しもべは聞きます。主よ、お話しください』と祈るのである(サムエル記下3:9)。ヨシュアが最も高い誉れある地位に置かれた時、彼はイスラエルの指導者として神のすべての敵に対して果敢な抵抗を命じた。彼の心は、自分に与えられた偉大な使命についての気高い思いで満たされた。しかし、天からのメッセージを告げられた時、彼は小さな子供の立場に自分を置いて指示を仰いだ。『わが主は何をしもべに告げようとされるのですか』と彼は応えた(ヨシュア記5:14)。キリストがパウロに現れた後、初めの言葉は、『主よ、あなたはわたしに何をおさせになるのですか』であった(使徒行伝9:6英訳)。」―清められた生涯p15

3.人が預言の尊い光から益を得ることができるために、使徒パウロはどのような勧告をしましたか(ペテロ第二1:19-21)。


 「使徒には、人類に関する神の目的について語る資格が十分にあった。なぜなら、キリストがこの世で働いておられたとき、ペテロは神の国に関することをいろいろと見聞きしていたからである。『わたしたちの主イエス・キリストの力と来臨とを、あなたがたに知らせた時、わたしたちは、巧みな作り話を用いることはしなかった。わたしたちが、そのご威光の目撃者なのだからである。イエスは父なる神からほまれと栄光とをお受けになったが、その時、おごそかな栄光の中から次のようなみ声がかかったのである、「これはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である」。わたしたちもイエスと共に聖なる山にいて、天から出たこの声を聞いたのである』と、彼は信者たちに言った。
 この証拠は、信者たちの望みの確かさを確信させるものであったが、さらにいっそう説得力のある証拠が、預言のあかしの中にあった。これによってすべての人々の信仰が強められ、堅固で不動のものとされるのであった。」―患難から栄光へ下巻p235


最も必要不可欠な光



4.どなただけが、将来を知っておられ、それを予見することができますか(イザヤ41:21-23; ペテロ第一1:10-12)。


 「神を礼拝する義務は、神が創造主であり、他のすべてのものはその存在を神に依存している、という事実に基づいている。そして、聖書の中で、異教の神々にまさって神が崇敬と礼拝を受けるべきであると示されているときは、常に、神の創造の力がその実証としてあげられている。『もろもろの民のすべての神はむなしい。しかし主はもろもろの天を造られた』」―各時代の大争闘下巻p156
 「キリストの来臨、キリストが聖霊によってあぶらをそそがれること、キリストの死、異邦人に福音が伝えられることなどについて、その時期がはっきり示されていた。こうした預言をさとり、それがイエスの使命の中に成就されているのをみとめることは、ユダヤ民族の特権であった。キリストは弟子たちに、預言の研究が重要であることを強調された。イエスは、彼らの時代についてダニエルに与えられた預言にふれ、『読者よ、悟れ』と言われた(マタイ24:15)。復活後キリストは、『聖書全体にわたり、ご自身についてしるしてある事どもを』弟子たちに説明された(ルカ24:27)。救い主は、すべての預言者たちを通してお語りになっていた。『彼ら……のうちにいますキリストの霊が、キリストの苦難とそれに続く栄光とを、あらかじめあかしした』のであった(ペテロ第一1:11)。」―各時代の希望上巻p288

5.旧約聖書のどの預言の書が、終わりの時代について最も的確な情報を含んでいますか(ダニエル12:4)。


 「牧師は、セブンスデー・アドベンチストの信仰の基礎として、預言の確実な言葉を示すべきである。ダニエル書と黙示録の預言は、『見よ、世の罪を取り除く神の小羊』という言葉と関連して、注意深く研究されるべきである。」―伝道p196
 「このような聖書の証言がある以上、黙示録は人間の理解を超えた神秘なものであるなどと、どうして教えることができよう。それは啓示された神秘であり、開かれた書である。黙示録の研究は、ダニエル書の預言に心を向けさせる。この両書は、世界歴史の終末に起きる諸事件について、神からの最も重大な教えを与えている。」―各時代の大争闘下巻p32


聖書の預言の承認の印



6.どなたがダニエル書に天来の印を押されましたか(マタイ24:15; マルコ13:14)。


 「キリストは、ご自分の弟子たちの時代に起こるできごとに関する預言者ダニエルの言葉を示して、『(読者よ、悟れ)』と言われた(マタイ24:15)。」―各時代の大争闘下巻p31


7.ダニエルの人格についてどのように記録されていますか(ダニエル1:3, 6)。


 「ダニエルはユダの貴族であった。」―ミニストリー・オブ・ヒーリングp120
 「エレミヤが活動していた時代に、ダニエルと彼の仲間が地の諸国の前で真の神を高める機会が与えられたのは、彼らが聖書の命令を良心的に遵守することによってであった。これらのヘブルの子供たちが彼らの親たちの家庭で受けた教育が彼らの信仰を強め、天地の創造主であられる生ける神に忠実に仕えるものにしたのである。ネブカデネザルが、エホヤキムの治世の初期に第一回目のエルサレム包囲と攻略を行い、特別にバビロンの宮廷で仕えるために、ダニエルと彼の仲間たちを連れ去っていったときに、ヘブルの捕虜たちの信仰は極度の試練を受けた。しかし神の約束に信頼することを学んだ者は、これらの約束が、外国に滞在する間に経なければならないあらゆる経験に対して十分なものであったことを知った。聖書が彼らの手引きであり、支えであった。」―国と指導者下巻p48
 「ダニエルと彼の仲間は、見知らぬ地において捕虜となったが、神は敵の妬みと憎しみが、彼らに打ち勝つことを許されなかった。義人は常に天から助けを得た。神の敵はしばしば自分たちの力と知恵を合せて、神に信頼する数人の者の品性と感化を破壊しようとした。しかし、主が彼らのためにおられたので、誰も彼らに打ち勝つことはできなかった。ただキリストに従う者たちが一致して、打ち勝つことができるように。彼らが偶像と世から分離するようにしよう。そうすれば世は彼らを神から離れさせることはできない。」―教会への証2巻p139

個人的な研究のために

•エレミヤ 1:4-9
•黙示録 1:1


第2課                   安息日2011年1月8日


失われた機会とその結果


 「御言を宣べ伝えなさい。時が良くても悪くても、それを励み……」―テモテ第二4:2
 「朝のうちに種をまけ、夕まで手を休めてはならない。実るのは、これであるか、あれであるか、あるいは二つともに良いのであるか、あなたは知らないからである。」―伝道の書11:6 


王の試練

1.主はヒゼキヤ王に何が起こることを許されましたか(列王紀下20:1上句)。


 「ヒゼキヤ王は、その栄えた治世の最中に、突然致命的な病気にかかった。『死にかかっていた』彼の病気は、人間の力ではどうすることもできないものであった。」―国と指導者上巻p303


2.彼はどのような恐ろしいメッセージを預言者から受けましたか(列王紀下20:1下句)。


 「預言者イザヤが彼の前にあらわれて、『主はこう仰せられます、あなたの家を整えておきなさい。あなたは死にます、生きながらえることはできません』と言ったときに、彼の最後の望みの綱は絶たれたように思われたのである(イザヤ書38:1)。」―国と指導者上巻p303


癒しと忘恩


3.ヒゼキヤは苦悶の内に何をしましたか。彼の真剣な祈りと涙の結果、どのような素晴らしい奇跡が起こりましたか(列王紀下20:2-6)。


 「なおる見込みは全くないと思われた。しかし、王はこれまで彼の『避け所また力』、『悩める時のいと近き助けであ』られたお方に祈ることができたのである(詩篇46:1)。「そこでヒゼキヤは顔を壁に向けて主に祈って言った、『ああ主よ、わたしが真実と真心をもってあなたの前に歩み、あなたの目にかなうことをおこなったのをどうぞ思い起してください』。そしてヒゼキヤは激しく泣いた」(列王紀下20:2, 3)。……
 その『いつくしみは絶えることがな』いお方が、彼の祈りを聞かれた(哀歌3:22)。……
預言者イザヤは喜んで引き返して行って、確証と希望の言葉を伝えた。イザヤはいちじくのかたまりを病気の個所につけることを指示して、王に神のあわれみと保護の使命を伝えた。」―国と指導者上巻p303-305
 「ヒゼキヤが病気であったとき、神の預言者は、彼が死ななければならないというメッセージをもたらした。彼は主に叫び、主はご自分の僕の叫びを聞かれ、彼のために奇跡を行われ、彼の命にあと15年が加えられるというメッセージを送られた。神の一言、または神の指のひと触れがヒゼキヤを直ちに癒すことができたのであるが、いちじくを取って病に冒された場所に置くようにとの特別な指示が与えられ、ヒゼキヤは生き返らされた。すべてのことにおいて、わたしたちは神の摂理に従って動く必要がある。」―健康への勧告p381, 382

4.王は彼が受けた大いなる恩恵を感謝しましたか。彼の態度と行動は、どのようにしてバビロンの捕囚をもたらす種をまくようになりましたか(歴代志下32:25-27)。


 「聖書は、人が金持ちであるという理由で、金持ちを非難しているのではない。聖書は富を得ることを罪と言っていない。また金がすべての悪の根であるとも言っていない。……
聖書は、富が不死の宝の代わりにされる時、危険であると教えている。地上の一時的な事柄が、神がお求めになる思い、愛情、献身を奪う時、それは罠となる。……
 神の他の賜物と同じように、富の所有は、責任と特別な誘惑を増すのである。困難の中において神に忠実であり続けた者の内、どんなに多くの者が繁栄という輝かしい魅力の下に倒れたことであろうか。富の所有と共に、利己的な性質という支配的欲望が明らかになる。今日世は、富を崇拝する者たちの自己満足の悪と欲深い貪欲によって呪われている。」―(レビュー・アンド・ヘラルド1882年5月16日) 管理者への勧告p138, 139

しるしの結果

5.ヒゼキヤは自分の命が延ばされる証拠として、どのようなしるしを求めましたか。他に誰がこのしるしを見ましたか(列王紀下20:7-10, 12; 歴代志下32:31)。


 「チグリスとユフラテ川にはさまれた肥沃な流域に、当時アッスリヤに属してはいたが、世界を支配する運命にあった古代民族が住んでいた。その国民の中に、熱心に天文学を研究していた賢者たちがあった。そして彼らは、日時計の影が十度退いたことに気づいたときに大いに驚いた。彼らの王メロダク・バラダンは、天の神がユダの王の寿命を延ばされたしるしに、神がこの奇跡を彼にお与えになったことを聞いてヒゼキヤに使者を送り、彼の回復を祝うとともに、できることならばこのように大きな奇跡を行うことができる神についてもっと学びたいと思った。」―国と指導者上巻p308,309

失われた機会

6.どのような聖なる機会が王に与えられましたか。彼はそれをどのように用いましたか(詩篇66:16; 40:9, 10)。


 「遠国の王からのこれらの使者たちの訪問は、生ける神を賛美する機会をヒゼキヤに与えたのである。彼がすべての造られたものを支えておられる神について語ることは、何と容易なことであったことだろう。その神の恵みによって、全く絶望的であった彼自身の生命が助けられたのである。カルデヤの平原から来たこれらの真理の探究者たちが、生ける神の最高の支配権を認めるように導かれたならば、何と大きな変化が起こったことであろう。……
 もしヒゼキヤが、イスラエルの神の力と恵みとあわれみについてあかしを立てるために、彼に与えられた機会を活用したならば、使者たちの報告は暗黒を照らす光となったことであろう。しかし彼は、万軍の主よりも自分自身を賛美したのである。「しかしヒゼキヤはその受けた恵みに報いることをせず、その心が高ぶった」(歴代志下32:25上句)。……
 ヒゼキヤははなはだしい罪を犯した。「怒りが彼とユダおよびエルサレムに臨もうとした」のである(同32:25下句)。―国と指導者上巻p309,311

7.彼はどのような恐ろしい間違いをしましたか。どのような結果になりましたか(列王記下20:13-18)。


 「しかし、誇りと虚栄がヒゼキヤの心を捕らえた。そして彼は得意気に、強欲な人々の目の前に神がお与えになった、神の民の宝を開いて見せた。……彼がこうしたのは、神に栄光を帰するためではなくて、外国の君たちの前で自分を高めるためであった。彼はこの人々が、神を恐れることも愛することもしない強大な国家の代表者であることを考慮しなかった。そして、彼が彼らを信じて国家の物質的富を見せたことは分別のないことであった。……
帰国する使者たちは、彼らが見た富の報告を持ち帰ろうとしていた。そしてバビロンの王と大臣たちは、エルサレムの宝によって自分たちを富まそうと計画するであろうということがイザヤに示された。」―国と指導者上巻p309-311
 「厳粛で聖なる真理、すなわち世に伝えるように神から与えられた試金石のメッセージは、真理の力を正しく提示するために、わたしたちの日毎の生活と品性を改変させるという最も強い義務の下にわたしたちを置くのである。わたしたちは絶えず時間の短さと速やかに起こると預言が宣言している恐るべき出来事を覚えていなければならない。」―教会への証4巻p612

個人的な研究のために

• イザヤ38:1-22
• イザヤ39:1-8




第3課                  安息日2011年1月15日


ユダの捕虜


 「…われわれの不義によって、われわれとわれわれの王たち……の手にわたされ…」―エズラ9:7

預言と成就


1.バビロン人がユダ王国の人々を捕虜にするということを、誰が預言しましたか(エレミヤ25:8-11)。


 「わずか数年のうちに、この恐ろしい刑罰がエホヤキムに臨むのであった。しかし主は、あわれみのうちに、まず悔い改めない国民にご自分の意図されたことをお知らせになった。エホヤキムの治世の第四年に、『預言者エレミヤは…ユダのすべての民とエルサレムに住むすべての人に告げて』、彼が『ヨシヤの十三年から今日にいたるまで』二十年以上にわたって、神が彼らを救おうと望んでおられることをあかししたにもかかわらず、その言葉が拒否されたことを指摘した(エレミヤ書25:2,3)。そして彼らに対して次のような主の言葉が与えられた。
 『…この地はみな滅ぼされて荒れ地となる。そしてその国々は七十年の間バビロンの王に仕える』。」―国と指導者下巻p50,51


2.聖書の記録によると、エルサレムに対する初めの攻撃はいつ起こりましたか。これは暦年ではいつでしたか(ダニエル1:1)。


 「ここに記録されているエルサレムの崩落はエレミヤによって予言され、紀元前606年に成し遂げられた。(エレミヤ25:8-11)……ネブカデネザルはエホヤキムの治世の三年の終わり近くに遠征に出発し、その点からダニエルは計算している。しかし王はエルサレムの征服を、次の年の9月まで達成せず、エレミヤはその時点から計算している。」―ユライヤ・スミス, ダニエル書と黙示録の預言, 1944年版p19

捕虜として連れて行かれる


3.初めの捕虜の中に誰がいましたか。彼らについて何と記録されていますか(ダニエル1:3, 4, 6)。


 「ネブカデネザルが、エホヤキムの治世の初期に第一回目のエルサレム包囲と攻略を行い、特別にバビロンの宮廷で仕えるために、ダニエルと彼の仲間たちを連れ去っていったときに、ヘブルの捕虜たちの信仰は極度の試練を受けた。しかし神の約束に信頼することを学んだ者は、これらの約束が、外国に滞在する間に経なければならないあらゆる経験に対して十分なものであったことを知った。聖書が彼らの手引きであり、支えであった。」―国と指導者下巻p48

服従と盲目とその結果

4.神の裁きは、エルサレムに残された人々の間に悔い改めの変化をもたらしましたか。結果はなんでしたか(列王紀下24:8-11, 14-16)。


 「わずか数年のうちに、バビロンの王は、悔い改めないユダに対して神の怒りの器として用いられるのであった。エルサレムは幾度となく、ネブカデネザルの軍勢に包囲、攻略、侵入されるのであった。初めのうちは数は少なかったが、後には幾千、幾万の人々が、次々にシナルの国に捕らえられて行って、強制的にそこに移住させられた。」―国と指導者下巻p43

5.ゼデキヤ王の霊的盲目によってどのような結果が、三度目の征服で起こりましたか。彼についてのどのような預言が成就しましたか(列王紀下24:17-19; 25:1, 2, 6, 7; エゼキエル12:13, 14)。


 「エホヤキム、エホヤキン、ゼデキヤなど、これらのユダの王はみな、バビロン王に従属するのであるが、みな次々と反逆するのであった。反乱を起こした国家には、ますます厳しい懲罰が加えられて、ついには全国が荒廃に帰し、エルサレムは荒れ果てて焼き払われ、ソロモンが建てた神殿も破壊されて、ユダの国は滅び、二度とふたたび、地の諸国の間に以前の地位を占めることはなくなるのである。」―国と指導者下巻p43,44

罪をもてあそぶ結果


6.誰でさえ、エルサレムの陥落と捕囚は、背教の結果として主のみ手から来た事を認めましたか。この間、契約の箱には何が起こりましたか(エレミヤ40:2, 3;歴代志下36:14-16)。


 「神のみこころが明らかに示された義人たちがまだエルサレムに残っていたが、その中のある人々は、十誡の戒めが書かれた石の板を納めた聖なる箱が、乱暴な人々の手に入らないようにしようと決意した。彼らはそれを決行した。彼らは嘆き悲しみつつ、箱をほら穴の中に隠したのである。箱はイスラエルとユダの人々の罪のゆえに、彼らから隠されて、再び彼らにもどることはないのであった。その箱は今なお隠されている。それはそこに隠されて以来、人手に触れたことはないのである。」―国と指導者下巻p70


7.これらの経験から、わたしたちは不服従と罪の結果について何を学ぶことができますか(箴言14:34; 申命記28:1, 2, 15)。


 「わたしたちは神がわたしたちになるように願われる民からはほど遠いのである。なぜならわたしたちは神の真理の素晴らしい啓示とこのお方の目的に調和して魂を高め、品性を精錬することをしないからである。『正義は国を高くし、罪は民をはずかしめる』(箴言14:34)。罪は混乱させる。罪が大切にされる所ではどこでも、すなわち人の心、家庭、教会には混乱、争い、不一致、敵意、妬み、嫉妬がある。なぜなら人と神の敵が、思いに対して支配力を持っているからである。しかし、真理が支持されるだけでなく、愛され、命が吹き込まれる時、男女は罪を憎み、世に対してイエスキリストの生きた代理となるのである。」―セレクテッド・メッセージ2巻p377

個人的な研究のために
エズラ 9:7-15
• サムエル記下 22:49


第4課                  安息日2011年1月22日


バビロンの宮廷で


 「…あなたがたが主と共におる間は、主もあなたがたと共におられます。あなたがたが、もし彼を求めるならば、彼に会うでしょう。…」―歴代志下15:2


選ばれ試みられる

1.バビロンの王は、宦官の長アシペナズに何の命令をしましたか。彼は他に何を命じましたか(ダニエル1:3-5)。


 「彼らはその生涯のまず出発点において、彼らの品性をためす決定的試練に出会った。彼らは王の食卓から与えられる食物を食べ、酒を飲むように定められた。王は、こうして、彼らに対する彼の愛顧と、彼らの幸福に対する彼の配慮とを示そうとしたのである。」―国と指導者下巻p93

2.誰が選ばれた者たちの中にいましたか。彼らの名前はどのような意味がありましたか(ダニエル1:6)。


 「ヘブル語でダニエルは『神は裁き主』、ハナニヤは『主の賜物』、ミシャエルは『神のような者』、アザリヤは『神はわが助け』という意味を持っている。」―ダニエル書と黙示録の預言p23
 「……神に対する忠誠を保っていた人々の中に、ダニエルと彼の三人の友人があった。これは、知恵と力の神に結合するときに、人間はどのようになり得るかということの著しい実例である。王家に属するこれらの青年たちは、比較的質素なユダヤの家庭から、最も華麗な都市と世界最大の王の宮廷に連れていかれたのである。……
ネブカデネザルは、これらの青年が著しい能力の可能性を持っているのを認めて、彼らを訓練して、彼の王国の重要な地位を占める者にしようと考えた。王は、彼らがその生涯の働きに対する十分な資格を得るために、彼らがカルデヤの言語を学んで、国内の王子たちに与えられる特別な教育的特権を、三年の間与えられるように取り決めた。」―国と指導者p92

重大な決心


3.宦官の長は、どのような名前を彼らに与えましたか。これらの名前はどのような意味があり、何に言及していましたか(ダニエル1:7)。


 「この名前の変更は、おそらく言葉の意味のためになされたのであろう。……これらの〔ヘブルの〕名前は真の神に関係があり、このお方の礼拝に関連した意味があったので、それは異教の神々とカルデヤ人の礼拝に関連した定義がある名前に変えられたのである。ベルテシャザルはダニエルに与えられた名前であって、『ベルの君』という意味があり、シャデラクは『シン(月の神)の僕』、メシャクは『アク(月の神であるシンの名前のシュメール語に値する)のような者』、アベデネゴ『ネボの僕』という意味があった。」―ダニエル書と黙示録の預言p23 (これらの新しい名前は異教の神々に関係したものでした。)
 「ダニエルと彼の仲間たちの名前は、カルデヤの神々を代表する名に変えられた。ヘブルの親たちが、その子供に与える名前には、重大な意味が伴っていた。しばしばこれらの名前は、親が子供の中に啓発されることを願った品性の特質を表したものであった。……
 王はヘブルの青年たちが彼らの信仰を捨てて偶像礼拝を受け入れるように強制はしなかったが、徐々にそうなることを希望していた。王は彼らに、偶像礼拝にとって重要な名を与え、日ごとに偶像礼拝の習慣と密接な交わりに入らせ、異教の礼拝の魅惑的儀式の影響下に彼らをおいて、彼らに自国の宗教を放棄させて、バビロン人の礼拝に結合させようとしたのである。」―国と指導者下巻p92,93

4.ダニエルは心の中でどのような決心をしましたか。どなたがこの決心を王の宦官の思いに印象づけましたか(ダニエル1:8, 9)。


 「しかし王の食卓から与えられた食物は、その一部が偶像にささげられたものであるから、偶像礼拝に奉献されたものであった。そしてその食物にあずかる者は、バビロンの神々に敬意を表するとみなされるのであった。ダニエルと彼の仲間たちは、主に忠誠を尽くそうとすれば、こうした敬意を表することはできなかった。単に食物を食べ、または酒を飲むふりをすることでさえも、彼らの信仰を拒否することになるのであった。このようにすることは、異教主義に参加して、神の律法の原則を汚すことになるのであった。
 また彼らは、体的、知的、霊的発達を阻害する快楽と浪費にふける危険を冒そうとしなかった。彼らは、ナダブとアビウの物語、すなわちモーセの五書に保存されていた彼らの放縦とその結果の記録をよく知っていた。そして彼らは、自分たちの体的、知的能力が、酒を用いることによって悪影響を受けることを知っていた。
 ダニエルとその仲間たちは、厳格な節制の習慣を形成するように、親たちの訓練を受けたのである。彼らは、自分たちの能力に対して神が彼らに責任を問われること、また彼らは、決して自分たちの能力の発達を妨げたり、弱めたりしてはならないことを教えられていた。」―国と指導者下巻p93,94

信仰、服従、祝福


5.ダニエルは王の家令にどのような提案をしましたか。十日の後、結果はどうでしたか(ダニエル1:12-15)。



 「ダニエルと彼の仲間は、自分たちの決心の結果がどうなるかを知らなかった。彼らは、それが彼らの命取りになることを知らなかった。しかし彼らは、放縦なバビロンの宮廷にあってさえ、厳しい節制の真っ直ぐな道を保つことを決心した。」―ユース・インストラクター1898年8月18日
 「この家令は、ダニエルの品性の良い性質を見た。彼は、ダニエルが親切で手助けになろうと努力しており、彼の言葉は礼儀正しく丁寧で、その態度にはつつましさと柔和の優美があった。王の恵みと愛を得たのは、この若者の良い態度だった。」―ユース・インストラクター1907年11月12日


6.この経験の後、家令はどうしましたか。主は、ご自分の子らの忠実さをどのように報いられましたか(ダニエル1:16, 17)。



 「主は、ヘブルの青年たちの堅実さと自制、そして彼らの動機の純粋さとを嘉された。そして神の祝福が彼らに伴った。……『わたしを尊ぶ者を、わたしは尊』ぶという約束が成就した(サムエル記上2:30)。ダニエルが確固とした信頼をもって神に寄り頼んだ時に、預言的能力の霊が彼に臨んだ。彼は人間から宮廷生活の務めについて教えを受けていたときに、将来の神秘を読み、世の終わりに至るまでのこの世界の歴史の出来事を記録することを神から学んでいたのである。」―国と指導者下巻p96

7.王は最後の試験の後、どのような結論をしましたか(ダニエル1:18-20)。


 「くだけた心で、旧約と新約の聖書を読みなさい。祈りの心を持って忠実に読み、聖霊があなたに理解させてくださるように嘆願しなさい。ダニエルは自分が持っていた旧約の聖書の一部を探求し、神の言葉を最高の教師とした。同様に彼は、あらゆる分野の学びにおいて知的になるために与えられた機会を活用した。彼の仲間も同じようにした。……」―クリスチャン教育の基礎p357, 358
 「しかし彼らの知識は偶然の結果ではなかった。彼らは聖霊に導かれて、彼らの能力を忠実に用いて知識を得たのであった。彼らは自分たちを、すべての知恵の源であられる神に結びつけた。そして神を知ることを彼らの教育の基礎としたのである。彼らは信仰をもって知恵が与えられることを祈り求め、彼らの祈りを実践したのである。彼らは、神の祝福にあずかることができる状態にその身をおいていた。……そして神ご自身が彼らの教師であった」―国と指導者下巻p97

個人的な研究のために

• 国と指導者下巻p91-101



第5課                   安息日2011年1月29日

パノラマのような夢


 「神は一つの方法によって語られ、また二つの方法によって語られる。……人々が熟睡するとき、または床にまどろむとき、夢あるいは夜の幻のうちで、」―ヨブ33:14,15



1.ネブカデネザル王の治世2年、彼に何が起こりましたか(ダニエル2:1)。



 「ダニエルとその仲間たちがバビロンの王に仕え始めた同じ年に、ヘブルの若者たちの誠実を激しく試み、イスラエルの神の力と真実性とを偶像教国にあらわす事件が起こった。
 ネブカデネザル王が将来を心配な予見を持って考えていた時、彼は驚くべき夢を見、『そのために心に思い悩んで眠ることができなかった』(ダニエル2:1)。この夜の幻が彼の思いに深い印象を与えたのにもかかわらず、彼は詳細を思い出すことができなかった。」―清められた生涯p34

人間対神の知恵


2.王は自分の夢を話し説明してもらうために、誰を呼び出しましたか。彼の相談役は、どのように彼らの無能を隠そうとしましたか(ダニエル2:2-4)。


 「彼は、自分の法術士と魔術士に問い、大いなる富と誉れを約束して、夢とその解き明かしをするように命じた。しかし彼らは、『どうぞしもべらにその夢をお話しください。わたしたちはその解き明かしを申しあげましょう』と言った(4節)。
王は、もし彼らが本当に解き明かしをすることができるなら、夢も同様に教えることができると考えた。主は、バビロンの知者のうぬぼれをあらわにするために、摂理の内にネブカデネザルにこの夢を与え、詳細を忘れさせ、恐ろしい印象を彼の思いに残したのであった。」―清められた生涯p34

3.王は、彼らをどのような危機に置きましたか。彼らは、どのような懇願を、もう一度この支配者にしましたか(ダニエル2:5-7)。



 「王は、彼らが人間の秘密をあらわすことができるともったいぶって主張しているにもかかわらず、快く王に助けを与えようとしないので、彼らの回避的答えに不満と疑念を抱いて、夢の解き明かしだけでなくて、夢そのものをも示すように賢者たちに命じ、それができる者には富と栄誉とを約束し、出来ない者に死の宣告を下すと威嚇したのである。」―国と指導者下巻102,103



4.怒った王はどのように脅かしましたか。知者と法術士は、どのような告白をするように強いられましたか(ダニエル2:8-11)。


 「ネブカデネザルは、彼が信頼していた者たちの明白な裏切り行為に完全に目覚めて、怒っ〔た〕。……博士たちは、彼らが失敗したならば、どんなことになるかという恐れに満たされて、王の要求が不合理で、彼の試験はどんな人間にも求められたことのない無理なものであることを示そうと努めた。」―国と指導者下巻p103


命を危険にさらす結果


5.ネブカデネザル王は憤慨して、何を命じましたか(ダニエル2:12)。


 「君主は非常に憤り、与えられた期間の間に夢を示すことができないのならば、彼らは一人残らず殺されると脅かした。」―清められた生涯p34, 35

6.この復讐に燃える法令には、誰も含まれていましたか(ダニエル2:13)。


 「ダニエルと彼の仲間は、偽りの預言者と共に滅びようとしていた。しかし、命の危険を冒して、ダニエルは王の前に出て、彼が夢とその解き明かしを示すことができるように時間を与えてもらうように懇願した。」―清められた生涯p35

7.ダニエルはどうしましたか。そしてこの嘆願を誰に提示しましたか(ダニエル2:14-16)。


 「王命の指示を実行しようとしていた役人たちが求めた者のなかに、ダニエルとその同僚がいた。王の命令に従って、彼らもまた死ななければならないことを告げられたときに、ダニエルは、『思慮と知恵とをもって』、王の高官アリオクに『どうして王はそんなにきびしい命令を出されたのですか』と尋ねた。アリオクは、王が驚くべき夢を見て、思い悩んだことを彼に語り、これまで王が最大限の信頼をおいていた者たちから、なんの助けも得られなかったことを告げた。これを聞いたダニエルは、命がけで王の前に出て、夢とその解き明かしを示していただくために神に祈り求める時が与えられるように願った。」―国と指導者下巻p104
 「怒り、憤った王がバビロンの知者をすべて滅ぼすようにと命じる法令を出した時、ダニエルと彼の仲間を探し出して殺そうとした。その時ダニエルは、バビロンの知者を殺そうとして出てきた王の自衛の長に、復讐ではなく『思慮と知恵を持って』それに応じた。ダニエルは、『どうして王はそんなにきびしい命令を出されたのですか』と尋ねた。彼は王の前に出て行って、時間を与えられるように願った。そして彼が仕える神に対する信仰は、王に解き明かしを示すということを告げるように促した。」―クリスチャン教育の基礎p373

 個人的な研究のために

• 信仰によってわたしは生きるp10



第6課                    安息日2011年2月5日



神はご自分を尊ぶ者を尊ばれる



 「…わたしを尊ぶ者を、わたしは尊び、わたしを卑しめる者は、軽んぜられるであろう。」―サムエル記上2:30


祈りに対する即座の回答

1.ダニエルと彼の仲間は、秘密を明らかにしていただくためにどなたのところに行きましたか。救い主は共に祈ることについて、何と言われましたか(ダニエル2:17, 18; マタイ18:19)。


 「君主は、この要求に同意する。そしてダニエルは彼の三人の同僚を集め、共にその問題を神の前に示し、光と知恵の源であるお方からの知恵を求めた。彼らは王の宮廷にいて誘惑に囲まれていたけれども、神に対する義務を忘れてはいなかった。彼らは、このお方の摂理が、自分たちを今いる場所に置いているということ、また真理と義務の要求に従うことによって、このお方の働きをしているということを強く自覚していた。彼らは、神に信頼していた。彼らは、困惑と危険においてこのお方に力を求め、このお方は彼らにとって常にいと近き助けであられた。」―清められた生涯p35
 「彼らは一緒に、光と知識の源であられる神の知恵を求めた。彼らは神が彼らをその場所に置かれたこと、そして自分たちは神の働きをなし、義務の命じることを果たしているという自覚のもとに強い信仰を持っていた。彼らは、悩みや危険に遭遇したときには、常に神の指導と保護を仰いだ。そして神は、彼らのいと近き助けであられたのである。ここで彼らは悔い改めて、地の審判者であられる神に対する服従を新たにし、この特別な難局において彼らを救って下さるように神に嘆願した。」―国と指導者下巻104

2.全能なるお方は、彼らのへりくだった嘆願にどのように応えられましたか(ダニエル2:19)。


 「そして彼らの訴えはむだではなかった。彼らが敬った神が、今や彼らに栄誉をお与えになったのである。主の霊が彼らの上に宿り、『夜の幻のうちに』王の夢とその解き明かしとがダニエルに示されたのである。」―国と指導者下巻104
 「ネヘミヤは、神のみ名に帰すべき栄光を神に帰して、神のみ前に自分自身を謙遜にした。ダニエルもバビロンでこのようにしたのである。これらの人々の祈りを学ぼうではないか。彼らは、我々にへりくだることを教えているが、神の戒めを守る人々と、神の律法を尊敬しない人々との間の境界線を決して除くべきではないことを教えている。
 我々は皆、神に近づく必要がある。神は、聖なる威厳に対する畏敬の念で満たされ、謙虚な状態で神に近づき、また世から離れて、神のみ前に立つ人々に近づいてくださるのである。」―(原稿58, 1903) SDAバイブル・コメンタリー3巻p1136・SB旧約680

心からの感謝

3.応えを受けた後直ぐ、ダニエルが初めにしたことはなんでしたか。使徒パウロのどの教えを常に覚えるべきですか(ダニエル2:20-23; エペソ5:20)。






 「クリスチャンは神に非常に近く生き、それによって何が『重要であるかを判別することができ』るべきであり、『イエス・キリストによる義の実に満たされて、神の栄光とほまれとをあらわすに至るように』なるべきである。彼の心は感謝と賛美に調和するべきである。彼は、『感謝のいけにえをささげる者はわたしをあがめる』と言われたお方のことを覚えて、自分が受けている祝福を常に認める心構えができているべきである。」―今日のわたしの生涯p153

4.どのような要求を持って、ダニエルはアリオクのもとに行きましたか。アリオクはこの良い知らせを受けた後、何をしましたか(ダニエル2:24, 25)。


 「神がご自分の御名の栄光のために、僕を通して果たそうと計画される働きは素晴らしい働きである。神は、ヨセフをエジプト国民にとって命の泉とされた。ヨセフを通して、全国民の命が保たれた。ダニエルを通して、神はバビロンのすべての知者の命を救われた。これらの救出には教訓があった。それは、ヨセフやダニエルが礼拝していた神とのつながりを通して、霊的祝福が与えられるということを明らかにした。そのように、今日のご自分の民を通して、神は世に祝福を与えることを願われる。キリストが心に宿っている一人一人の働き人、キリストの愛を世に示す一人一人は、人類の祝福のための神との共労者である。他の人々に分け与えるために救い主から恵みを受ける時、その人の全体からは霊的命の潮が流れ出るのである。」―教会への証6巻p227

5.世界最強の帝国の支配者は、どのような気がかりな質問をダニエルにしましたか(ダニエル2:26)。


謙遜と信仰

6.ダニエルはどのようにへりくだって答えましたか(ダニエル2:27, 28)。



 「世界最強の帝国の王の前に、沈着冷静に立つヘブルの捕虜を見よ。彼は口を開くとまず、自分に栄誉を帰すのではなくて、神をすべての知恵の源として高めたのである。」―国と指導者下巻p105

7.神のへりくだる子らに、どのような約束が与えられていますか(ペテロ第一5:5下句)。


 「神がご自分の御心をヘブルの捕虜たち、また悪しき世の習慣と風習から離れている者たちにお知らせになったように、『主はこう言われる』という言葉を認めるすべての者たちに、主は天からの光を与えられるのである。主は彼らにご自分のみ思いをお知らせになる。世の考え方に最も依存していない者は、見せびらかし、虚栄心、誇り、昇進に対する愛から最も分離している者、神の特別な民、良い業に熱心な民として立つ者であり、これらの者に対して、このお方はご自分のみ言葉の意味を明らかにされるのである。ヘブルの捕虜たちに対して、神の力が初めに表されたのは、地上の偉大な者たちの知恵の欠陥を示すことにおいてである。人の知恵は、神にとっては愚かである。主がご自分の知恵を最高のものとして明らかにされる前に、魔術師たちは光に対する彼らの無知を明らかにしたのである。神から与えられたタラントを悪用した人間の知恵を、神は愚かなものとして示されたのである。」―記者と編集者への勧告p101, 102

個人的な研究のために

・患難から栄光へ上巻p4



第7課                  安息日2011年2月12日


預言の夢



 「…しかし秘密をあらわすひとりの神が天におられます。彼は後の日に起るべき事を…知らされたのです。あなたの夢と、あなたが床にあって見た脳中の幻はこれです。」―ダニエル2:28


夢を語る

1.主が王に夢を与えた時、彼は何を考えていましたか。どのような目的のために、ダニエルが同じ夢を受けましたか(ダニエル2:29)。


 「ダニエルの経験を考えて見なさい。ネブカデネザル王の前に立つように呼ばれた時、ダニエルは自分の知恵の源を認めるのに躊躇しなかった。忠実に神を認めることは、王の宮廷におけるダニエルの影響を失わせたであろうか。決してそうではない。それは、彼の力の秘訣であり、バビロンの支配者の前で彼に恵みを得させたのである。神の御名によってダニエルは、王に天から送られた指示と警告と譴責のメッセージを知らせたが、彼は否定されなかった。今日の神の働き人は、ダニエルの確固とした大胆な証を読み、彼の模範に従おう。」―教会への証7巻p151


2.王はその特別な夢の中で何を見ましたか。その像は何によってできていましたか(ダニエル2:31-33)。


 「終末に至るまでの出来事をネブカデネザルの前に示した巨大な像の夢は、彼が世界の歴史においてどんな役割を果たし、彼の王国が天の王国とどんな関係を維持すべきかを理解するためであった。」―国と指導者下巻p112
 「カルデヤの宗教の神々を崇拝していたネブカデネザルは、偶像崇拝者であった。彼にとって像とは、注意と敬意を直ちに呼び寄せるものであった。さらに、わたしたちが次に見る地上の王国は、この像によって表されており、彼の目には尊敬と価値の対象であった。
しかし、ネブカデネザルの思いに大いなる真理、必要な真理を伝えるためにこの象徴が用いられたのは非常に素晴らしい適用であった。神は、ご自分の民のために、時代の全体の流れにおける出来事の経過を描写するだけではなく、ネブカデネザルに地上の華やかさと栄光のはかなさやむなしさを示したのである。金の頭を持った像による以外に、もっと印象的に示すことが出来るものがあったであろうか。」―ダニエル書と黙示録の預言p38

3.夢に出てきた像は非常に印象的だったにもかかわらず、それを象徴していた王国には何が起こりましたか(ダニエル2:34, 35)。



 「頭の下からは価値の低い金属で出来ていた。足の甲と指は鉄と土が混じっていた。しかしこのすべての物がばらばらになって籾殻のようになって、風が吹いきて、跡形もなく飛んでいった。その後、崩れ去ることのない天の宝がその代わりに建てられた。神はこの事を通して人の子たちにこの世の地上の王国はしばらくの間であり、偉大さも栄光も泡のようになくなることを示そうとされた。神は地上の王国に占領されたその場所に永遠に続く王国を建設しようとしておられる。この王国に入ろうとしているすべての者は平和の翼の下で永遠の休みを得るようになる。」」―ダニエル書と黙示録の預言p38, 39

金の頭

4.金の頭は何を表していましたか(ダニエル2:36-38)。


 「神は、この目的を成就させようとしてバビロンを高められた。バビロンは繁栄し、ついにその富と権力は後世これに匹敵するものがないほどの高さに達した。それは、天来の象徴によって 「金の頭」(ダニエル2:38)として、聖書の中に適切に表現されている。」―教育p207,208
 「神は、わたしにネブカデネザルの実例を示された。主は、地上の最も強い王が、ご自分を王の王として認めるように力をもって働かれるのである。このお方は、ネブカデネザルがこのお方が『いと高き神』であり、『その国は永遠の国、その主権は世々に及ぶ』ことを認めるまで、この高慢な王の思いに働きかけられたのである。」―(手紙132, 1901) 伝道p88

5.この力ある帝国はいつ始まりましたか。誰がその力を築きあげましたか(創世記10:8-12; ダニエル 4:26, 27)。


 「バビロン王国は後に王になるナボニダス将軍の支配によって力を得た。紀元前604年、彼の死後、彼の息子ネブカデネザルが王になった。……
 バビロニアの特徴は金の頭として描写された。この国は黄金期に存在した金の国であった。バビロンの町の美しさはその後に建てられたどんな国もまねすることはできなかった。この町は東の園に位置していた。一面は24.1kmで、全体の周囲の長さは約96.5kmの完璧な正方形であった。城壁の高さは61〜91mで、幅は26.5mであった。また城壁と同じ幅の堀があった。町の中の道は幅が45.7mで正確な角度で平坦であった。町の周りには562.5㎢の肥沃な土地と園があった。その中には贅沢な家が建っていた。この町には96.5kmの川、96.5kmの外壁、町の中心を流れる48.2kmの川、丈夫な青銅でできた正門があり、いろいろな高さの建物の上に作られた空中庭園があった。この庭園は、一つの建物として、同じ高さで建てられた。外周4.8kmのベロス神殿は二つの大きな宮殿として建てられ、そのユーフラテス川の地下にはトンネルがあり、宮殿と神殿がつなげられていた。この町のすべての安泰と装飾、鉄壁の如き防備、無限の資源等は、世界の神秘であった。この町自体が偉大な不可思議であった。」―ダニエル書と黙示録の預言p41-43


バビロンの栄光と衰退と陥落


6.バビロンの栄光を描写するために、預言者イザヤはどのような表現を用いましたか(イザヤ13:19上句)。


 「諸国の栄光であり、カルデヤ人の自慢であったバビロンは巨大で、歴史的な像の金の頭に象徴されるに十分であった。ネブカデネザル王はその全盛期において、大胆で血気盛んな人であり、多くの国々を征服した。その時、ダニエルが捕虜として捕らえられ、70年の間働いた。捕虜の地バビロンの富と栄華に勝るほどに神の民は圧迫され、彼らはユーフラテス川の柳の木にハープを掛けて、シオンを想って涙を流した。」―ダニエル書と黙示録の預言p43


7.彼はどのような言葉を持って、この栄光に輝く都の将来の要点を示しましたか。バビロン帝国はどれぐらい続きましたか(イザヤ13:19-22)。






 「ネブカデネザルが死んだ2年後、ベルテシャザル統治1年になった時にバビロンの滅亡に致命的な戦争が、バビロン人とメデア人との間に起きた。人間の考えでは城壁の中は鉄の壁に囲まれているように安全だと思った。地上に存在するどんな武器でもこの町を征服できそうもなかった。だから彼らは敵が城壁の回りにいないかのように、自由に生活した。しかし、神は傲慢で悪に満ちた町が栄光の座から降りるべきであることを命じられた。神の命じられたことに対して、いかなる人間が敵対しえようか。
 運命の夜、酒宴の騒ぎの中、川の道が開かれた。ペルシャの兵隊が城壁の中に入ってくることを誰も気がつかなかった。このようにして像の頭として象徴された国が悲惨な最期を遂げた。」―ダニエル書と黙示録の預言p44, 45, 47, 48
 「ペルシャの征服者たちの軍勢が、水をよそに流して川を通ってバビロンの首都の中心に不意に侵入し、不用意にも無防備のまま開かれていた内壁の扉を通ってきたことは、ユダヤ人にとっては彼らの圧迫者の突然の崩壊に関する、イザヤの預言が文字どおりに成就した明白な証拠であった。」―国と指導者下巻p160(紀元前606年から538年まで世界を支配した後に、バビロン帝国はその終わりを迎えた。)

個人的な研究のために

• イザヤ13, 14, 47章
• エレミヤ50, 51章
• ダニエル5:1-31
• 国と指導者下巻p122,142