43「豪奢の都サルデス」


 サルデスは古代における大都市の一つであった。その名は常に富貴および豪奢等の語と併用されている。「クローサスのような富」とはその当時のことわざであり、リディア王の途方もなく莫大な富をいったものである。そしてサルデスはそのリディアの首府であった。ペルシャ王クロスがサルデスを攻略した時、彼はその当時としては驚異に値する巨額の黄金(12億円)を発見した。サルデスは丘陵の上にあったので、その市民は絶対安全の地であると思いこんでいた。そしてクロス軍は暗夜に乗じて険阻な断崖をよじ登り、綱を下して城内に闖入した。つまりこの城が難攻不落のものと過信した事が陥落の原因となったのであるが、ここに我等の学ぶべき一つの霊的教訓がある。すなわち「だから、立っていると思う者は、倒れないように気をつけるがよい」(第一コリント10:12)とあるように、我等は自らに頼まず、キリストのみ唯一の安全な基礎、また難攻不落の城として、彼に絶対の信頼を置かなければならないのである。
 サルデスという名は「喜びの君」「喜びの歌」または「残りの者」の意味を持っている。サルデスは宗教改革後の時代にして、この期間中に新教は各々人為的信仰箇条に基づき、各派に分裂してその基礎を築いたのである。そしてこのサルデス時代は今を去る約100年前(この書が書かれた当時から)に起きた一大宗教改革運動の時にまで及んでいるのである。

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