106「ダニエルに与えられた最後の幻」

 ペルシャの王クロスの第三年に、ベルテシャザルと名づけられたダニエルに、一つの言葉が啓示されたが、その言葉は真実であり、大いなる戦いを意味するものであった。彼はその言葉に心を留め、その幻を悟った。」ダニエル10:1

 本章は預言者ダニエルに与えられた最後の幻の記録であり、この時与えられた幻は本章より12章の終わりまで継続しているのである。クロスの第3年は紀元前534年であった。であるからダニエルが四巨獣の幻を与えられたベルシャザル王の第1年すなわち紀元前540年より6年を経過し、第8章の雄羊、雄山羊、小さい角および2300日の幻が与えられたベルシャザルの第3年である538年から4年を経過し、さらに第9章に記された70週に関する解明がダニエルに与えられたダリヨスの第1年すなわち紀元前538年から4年も経過していた。
 メデヤとペルシャの連合軍が紀元前538年にバビロンを攻撃した時、ダリヨスは彼の甥クロスの好意によって王位についた。そして彼はおおよそ2年後に死んだが、その時まで王位にあった。この頃クロスの父ベルシャザル王カンビセスが死んだため、クロスは紀元前536年に預言に示された第二世界大帝国の単独君主となったのである。すなわちその年が治世の第一年であるから、ダニエルにこの幻の与えられたクロスの第三年は紀元前534年なのである。そしてダニエルはこの後まもなく、(史家ブリドウによれば)91歳以上で逝去したものであろう。

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