72「巻き物を開く者の資格」

 「また、ひとりの強い御使が、大声で、「その巻物を開き、封印をとくのにふさわしい者は、だれか」と呼ばわっているのを見た。しかし、天にも地にも地の下にも、この巻物を開いて、それを見ることのできる者は、ひとりもいなかった。巻物を開いてそれを見るのにふさわしい者が見当らないので、わたしは激しく泣いていた。」−黙示録5:2〜4
 神が人々に示そうとして巻き物をもった時、一人の強い天使は「その巻物を開き、封印をとくのにふさわしい者は、だれか」と大声で呼びかけた。この巻き物を開くのに必要な資格は、単なる知恵と勇気と力によるのではない。そしてそれは全ての徳および全ての資格の根底をなすところの正義によるのである。この巻き物は各時代の争闘に対する永遠の勝利、すなわち正義の凱旋に関するものである。であるからこの巻き物を開く資格のある者は正義のみである。そして天の挑戦に対して答えられる者は一人もなかった。政治を司る者の間にも、あるいはまた知恵と力の満ちたりた者の中にさえも、それを解くことのできる者はいなかった。これによっても我等はこの巻き物がいかに重大なものであるかを学びえるのである。それは全体のものの一部でもなく、また一部くらいはほっぽらかしにしておいてもよいと考えるべきものでもない。巻き物は事件がいかに重要であっても、単なる未来の事を説明したものではない。それは各時代にわたって隠された神秘、すなわち宇宙の永遠の救いに関するものである。この預言は贖罪と密接な関係があるので、その意義は深淵である。我等の大いなる罪は、無限の知恵と、無限の正義と、無限の犠牲とを要するのである。しかし全宇宙において、全ての聖者の中で救いの鍵を持つ者は一人もいないのである。「まことに人はだれも自分をあがなうことはできない。そのいのちの価を神に払うことはできない。とこしえに生きながらえて、墓を見ないためにそのいのちをあがなうには、あまりに価高くて、それを満足に払うことができないからである」(詩篇49:7〜9)。

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