85「黒馬」(続)

・・・以上の事実は当時の教会状態のほんの一二例にすぎないのであるが、コンスタンチン帝の取り計らいによる平和と繁栄および福音を普及しようとして他国民を誘致しようとした為に用いた不正手段によって教会がいかなる障害をこうむったかは、賢明な読者のよく察知するところであると思う。筆者はこの歴史については極簡単に記さなければならない必要上、この迷信の信仰と、その有害な力から生じまた今の世に蔓延するおそるべき結果について細述する余裕がないが、このような恐ろしい迷信のために真の宗教がほとんど全く壊滅するこの時にあたり、巧妙な悪人らが愚人を惑わして成功した数々の詐欺手段は、実にこれをあげれば際限がないのである。」(Miller’s Lectures,p.181)
 以上の陳述は、第三の封印時代すなわち黒馬によって象徴された時代の描写であるが、真によくその預言と一致しているのではないだろうか。これによると、いかに多神教精神がキリスト教に浸潤しそして法王権の樹立を見ることになった偽りの制度が、この時代中にいかに急速にその外套を整え、その外的権勢を熟成させたかが明白にわかるのである。
 「はかり」「これは政治に関与する人が政教の一致を企て、自らを教会また国家の二つを裁く権威をもつものとすることを示すものである。実際コンスタンチンよりデヤスチニアンの治世すなわち彼がローマの監督に司法権を与えるに至るまで歴代のローマ皇帝でこのような者は一人としてなかったのである。」―同上

 「小麦と大麦」−「ここに小麦と大麦との相場がでているが、これは当時の教会信徒がいかに利殖の道に汲々としていたか、金銭を愛する念がいかに当時の世を風靡していたか、金銭のためならば何物をも犠牲とするのをあえていとわなかった状態を示すものである。」―同上
 「油とブドウ酒」−「これらは聖霊の賜物、信仰および愛を示すものである。当時の教会は大いに世俗的風潮に災いされていたために、これらのものを失う恐れがあったのである。はたして歴史家はいっせいに筆をそろえて、当時の教会の繁栄はかえって教会を堕落に導くにいたり、そしてついに反クリスチャン的不法をあえてするにいたらせたとしるしている。」―同上
 ここに注意すべきことは、小麦大麦の値を定めつつ、「油とブドウ酒そこなうな」と言った声が、地上のだれかから発せられたのでなく、天上の四つの生き物から発せられたものである。これは地上における偽りの牧者たちがその群を捨て、顧みなくなった際にもなお、真の牧者なる主キリストはこの暗黒迷妄時代における彼等を顧慮されつつあったことを示すものである。声は天より来る。主イエスキリストは世俗的精神がキリスト教を全く滅ぼし去り、または油とブドウ酒すなわち真の敬神の念を全地より絶滅することのないよう、常に配慮されているのである。
 
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