87「殉教者の叫び」

 

 「小羊が第五の封印を解いた時、神の言のゆえに、また、そのあかしを立てたために、殺された人々の霊魂が、祭壇の下にいるのを、わたしは見た。彼らは大声で叫んで言った、『聖なる、まことなる主よ。いつまであなたは、さばくことをなさらず、また地に住む者に対して、わたしたちの血の報復をなさらないのですか』。すると、彼らのひとりびとりに白い衣が与えられ、それから、『彼らと同じく殺されようとする僕仲間や兄弟たちの数が満ちるまで、もうしばらくの間、休んでいるように』と言い渡された。」黙示録11:9〜11
 第5の封印の下に現れた事件は、殉教者が復讐を求めて叫んだ事と彼らに白衣が与えられた事である。当然ここで解釈を要する問題は次の点であろうと思う。この封印もまた何等かの時代を代表するものであろうか。そうであるとすれば、いつの時代か。殉教者の魂の見えた祭壇とはどこか。また彼等の魂とは何か。彼らの状態はどんなものか。復讐を要求する彼らの叫びは何を意味するのか。彼等に与えられた白い衣とは何か。彼らはいつまで待つのだろうか。また彼らと同じく殺されようとする兄弟たちとはどんな意味であるのか。このような疑問に対し満足な回答を与えるのは困難なことではない。
 1.「第五の封印もまたある時期を指示する。」―他の封印がある期間を示す以上、この第五の封印もまたある期間を示すものと見ねばなるまい。また今までの封印にあてはめた年代に誤りがないとするならば、この封印の期間も自然と判明するわけである。この期間は、反キリスト教的な法王制度を倒壊し、またローマ教会の迫害を抑圧することを期待して宗教改革の開始された頃より始まるものである。
 2.「祭壇」−これは犠牲者の殺された場所すなわち犠牲の祭壇のことであるから、決して天の祭壇をさしたものではない。これに関してアダム・クラーク博士は言っている。「ヨハネは象徴的な一異象を示され、その中に一つの祭壇を見た。その下には、神の言葉のために殺された者―キリストの道を愛するがゆえに殉教した者の魂が、今まさに偶像および迷信のいけにえとしてほふられつつあるように表示されていた。この祭壇は地上にあって、決して天上にあるものではない。」これはヨハネが地上の光景を見ている事実に照らし合わせてみると確実である。その魂は祭壇の下にあって、ちょうど今祭壇上でほふられた犠牲が下に血を流し、その壇の側らに落ちようとしている様を見せているのである。


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