158「結婚制度の蹂躙」3

 フランスを無神国にしようとした努力は、為政家が自己の手中にある政権が奪い去られる事を恐れたほど国内を乱し、また無政府状態とした。であるから為政家は自己の権力を維持させようとするには、何か崇拝するものを提供する必要があることを認めた。しかしながらもちろん彼等は国民の間に敬神の念を増進させ、あるいは精神的方面の向上を計る運動を起こす考えはなく、ただそれによって自己の政権を維持し、かつ国民を操縦しようと考えたにすぎなかった。これは歴史に照らしてみれば、明白である。すなわちここにおいて彼らは先ず、「自由」と「国家」を崇拝しようとした。そして彼らの神を説明するのに、「自由」、「平等」、「貞操」、「道徳」等、彼らが実行している事とは全く正反対の言葉を使用した。そして紀元1793年には「理性の女神」を崇拝するにいたった。これについて歴史家は次のように述べている。
 「この狂乱時代における一儀式は、最も不敬虔にして愚の極みであった。国民議会の戸は開かれ、楽手が先頭に立ち、国会議員が自由を賛美しながら行列し、今後礼拝すべき『理性の女神』と称する顔覆いをした一婦人を護衛して入ってきた。一同着席するや彼女の顔覆いは取り去られ、大統領の右に座を占めさせた。そしてそこに臨席した人々の多数は、彼女がオペラ女優であり、またその舞台姿の美しいことも良く知っていた。のみならずある者は彼女についてさらに幾多の事を知っていた。フランスの国民議会は、彼等の崇拝しようとした自由を最もよく代表したこの女優に公然と礼拝をしたのである。この不敬にして馬鹿らしい仮面舞踏は流行し、『理性の女神』の叙任式は革命の程度をしめそうとするもののいるところでは、全国にわたって挙行された。」(Scott’s Napoleon,Vol.1,Chap,17.)・・・続く。


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