168「トルコ軍の追撃」
「彼はまた麗しい国にはいります。また彼によって、多くの者が滅ぼされます。しかし、エドム、モアブ、アンモンびとらのうちのおもな者は、彼の手から救われましょう。」ダニエル11:41
フランス軍はセント・ジャン・ダーカー包囲中に戦死者と病死者とを合わせて軍隊の三分の一を失い、十六日間の長行軍をなしたあげく、疲れ果ててカイロへ退却した。
このようにしてフランス軍が一度「美しい国」すなわち地方で得た勝利は無効に帰し、再び圧迫者トルコの手中に陥った。ただしパレスチナの国境外死海とヨルダン川の東と南にあたるエドム・モアブおよびアンモン地方は、トルコ軍がシリヤよりエジプトに進軍した時の行路でなかったために戦禍を免れた。クラーク博士はこの事について次のように言っている。「彼等(トルコ)はこれら(モアブ、アンモン等)およびその他のアラビヤ人を征服することができなかった。彼らはなお砂漠を所有して、毎年オットマン帝国より金貨四万クラオンの年貢を受け、メッカ(マホメットの墓地の所在地)へ旅行する巡礼の行路を自由にした。」
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