107「ダニエルの熱烈な祈り」


 「そのころ、われダニエルは三週の間、悲しんでいた。すなわち三週間の全く満ちるまでは、うまい物を食べず、肉と酒とを口にせず、また身に油を塗らなかった」ダニエル10:2,3

 ストナー博士はここで「三週間」といったのは前章に記された7年の1週と区別するためであるといっている。さてこの年老いた神の僕はなんの目的でこのようにへりくだり、また身を悩ましたのであろうか。それは確かに将来神の教会に起こる事件について神の御旨を十分悟りたかったからであろう。なぜならばダニエルに悟りを与えるために遣わされた天使は「・・・あなたが悟ろうと心をこめ、あなたの神の前に身を悩ましたその初めの日から、・・・」(ダニエル10:12)といっているからである。だからダニエルが十分に理解しなかった何かがあったに違いない。そこで彼はその事に関して光の与えられることを熱心に祈っていたのである。それは何のためであったろうか。おそらくそれは第8章、第9章両章の幻の中にいまだ判明されない部分があったのであろう。そして彼らの祈りの結果以前与えられた幻に関連する事件をより一層綿密に示されたのである。(11,12章で詳述する)
 預言者ダニエルはただ悲しんだばかりでなく、断食したようである。それは絶食ではなく最も単純で簡単な食事を摂取したのである。すなわち彼は甘いパンや肉と酒、その他贅沢なごちそうは一切これを用いず、また断食を示すユダヤ人の習慣に従ってその身に油をぬらなかった。そしてダニエルは彼の祈りに応答がなかったならば、いつまで断食して祈り続けたかわからない。ダニエルが「三週間」の間断食して祈った事は、それが正しい事であるなら彼は応答のあるまで中止しないで祈る種類の人であった事が明白でないか。

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