82第6章 七つの封印(続)

 白馬にまたがる騎士

 「小羊がその七つの封印の一つを解いた時、わたしが見ていると、四つの生き物の一つが、雷のような声で「きたれ」と呼ぶのを聞いた。そして見ていると、見よ、白い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、弓を手に持っており、また冠を与えられて、勝利の上にもなお勝利を得ようとして出かけた。」黙示録6:2

 さていよいよこれから七つの封印の研究となる。小羊は巻き物を取ると直ちに封印を開き始めたが、ヨハネは各封印が切り落とされる毎に展開される場面に注目したのである。いったこの七という数は聖書上完全な数であることはすでに学んだ通りである。そうならこの七つの封印は七つの教会のように世界の最終にまで及ぶある種の事件をことごとく網羅するものでなければならない。そしてこの七つの封印の方は宗教的事件を表示し、また信徒時代よりキリスト再臨にいたるまでの教会歴史を含むものとみるべきである。
 ところでまず起こる疑問は、いかにしてこの巻き物の内容がヨハネに示されたかということであるが、ヨハネはキャンバスに表された動きのない絵によってではなく、地上における実際の生ける光景をもってその内容を示されたようである。
 ヨハネが最初に見たのは、一頭の白馬にまたがり、手に弓をもって、頭上に冠を戴いた勇敢な騎手であった。彼は勝利に勝利を得ようとして進軍した。この象徴に最もよく一致するのは、新約時代の当初、すなわち一世紀における福音の勝利である。馬の色が白であるということは当時の信仰が純粋であったことを示し、騎手の頭上に戴ける冠と勝利に勝利を得ようと出て行く有様は、初代教会の福音宣伝者たちがいかに熱心に真理を宣布し、またいかにその事に成功したかを示すものであると同時に、それによって彼らがいかに進撃的態度に出たかをうかがい知ることができるのである。騎手は馬にまたがって出て行ったとあるが、いったいどこを指して出て行ったのであろうか。彼らの任命には境界はなく、すなわち福音は世界万国にまで及ぶべきものであった。

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