120 「ユダヤ人の大虐殺」


 「彼がその軍を打ち破ったとき、その心は高ぶり、数万人を倒します。しかし、勝つことはありません。」ダニエル11:12

 トレミー・フィロパターは勝利を利用する術を知らなかった。もし彼が勝利の後追撃したならば、必ずアンチオカスの全領土を奪取し得たであろうに、彼はわずかに敵軍を威嚇したに過ぎず、たちまち大軍を収めて肉欲を欲しいままにした。彼は敵軍を征服し得たけれども情欲に負け、その名を天下にとどろかし得る好機のある事を忘れて酒色にふけった。
 フィロパターは彼の成功を鼻にかけたが、それは彼のためには少しの益にもならなかった。なぜならば、彼が戦勝を有利に用いなかった為その部下を彼に反逆の念を抱かしめるにいたったからである。しかし彼の傲慢な振る舞いはこれより記そうとするユダヤ人との交渉においてその極みに達している事を示している。すなわち彼はエルサレムに来て宮に献物をした後、律法および宮の定めに反して無理に至聖所に入ろうとしたが、それをひどく拒まれて仕方なく退場した。しかし彼はユダヤ国民に対して憎悪の念を抱いて退場し、直ちに恐るべき大迫害を開始した。歴史家ユーセビヤス氏は、「アレキサンドリヤにおいては、アレキサンダー大帝以来そこに居住して市民としての諸特権が与えられていたユダヤ人4千人がこの時の迫害で殺害された」といっている。また歴史家ゼローム氏の伝えるとことによればこの時六千人殺されたとのことである。エジプト人の謀反といい、ユダヤ人の虐殺といい、全くトレミーの国力を強大にしなかった。否、むしろ衰退させるものであった。

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