127「リッチ博士の発表」


 1838年すなわちトルコ帝国が独立権を失う2年前に、米国のジョサイア・リッチ博士は「キリストの再臨」と題する著書の中にこの預言の解釈をなし、トルコは1840年8月11日に戦敗の結果その独立権を失うと断言したが、これに対して懐疑論者および批評家達は嘲りかつ怪しみつつも、もしこの預言が的確に成就したのなら、これは信じるに足るべきものであると心秘かに怖れをなした。そしてリッチ博士の精密な研究はものの見事に成就し、批評家達の口をつぐむと同時に、当時大いに叫ばれつつあった再臨運動に一大気勢を添え、一般教会の覚醒をうながす事大いなるものがあった。ここに少しトルコ没落の顚末について記したいと思う。
 リッチ博士の発表のあった翌年すなわち1839年トルコとエジプト太守メヘメット・アリとの間に戦端が開かれ、トルコ軍の大敗となり、エジプトの大軍はシリアに進軍してコンスタンチンノーブルを威嚇した。そのためにトルコは今や危殆に瀕し、それと共に欧州各国の諸勢力の平衡が脅かされるに到ったので、ついにイギリス、ロシア、オーストリヤ、プロシヤの諸代表が干渉し、解決権を四国の手に一任すべき事を要求した。トルコは即刻これに応じ、一時頑強に拒んだエジプトもやがて形勢が非であることを見てこれに同意した。そして占領地からの軍隊の撤退、拿捕軍艦の返還となり、アリはエジプト太守を世襲することを条件として和議をなし、ここにようやく係争問題も一段落を告げることとなった。ところがこのロンドン会議の決議にサルタンの同意調印した日は1840年8月11日であったとは何と驚くべき事ではあるまいか。事実上この日にトルコはその独立権を失い、預言が成就したのである。

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